今年1年間の税金の精算を行う年末調整の時期がやってきました。
去年と比べて改正はほとんどありませんが、源泉徴収票の摘要欄の記入にご注意ください。
住宅借入金等特別控除額がある方は、必ず居住開始年月日を記入してください。また、住宅借入金等特別控除額が算出年税額を超えるため、年末調整で控除しきれない控除額がある場合には、「住宅借入金等特別控除可能額」を記載してください。
これにより、昨年まで市町村に提出していました「住宅借入金等特別税額控除申告書」の提出が原則不要となります。
ご不明な点がございましたらお気軽にご連絡ください。
税理士
赤田 貴志
最近、退職時等に未消化となった年次有給休暇について、
買上げを要求される事例が増えてきています。
そこで、今回は年次有給休暇の買上げに関する注意点を
採り上げたいと思います。
先に結論を述べますと…
『一定の条件の下で、買上げが可能です。』
まずは、年次有給休暇についてお話したいと思います。
年次有給休暇は「仕事による疲労を回復し、ゆとりのある生活を
送ること」を目的に付与が義務付けられました。
法律では「雇入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し、
全所定労働日の8割以上出勤した職員に対して最低10日(常
勤職員の場合)の年次有給休暇を与えなければならない。」
とされています。
さらに、勤続年数に比例して以下のように付与日数が決められています。
勤続年数(年) 0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5以上
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
付与日数(日) 10 11 12 14 16 18 20
また、週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が
30時間未満の非常勤職員に関しては、週所定労働日数に
応じて年次有給休暇が比例付与されます。
では、これらを基に年次有給休暇の買上げについて
お話したいと思います。
原則として、年次有給休暇の買上げは法律で禁止されています。
しかし、次のいずれかの条件を満たす分については、買上げが
可能となっています。
(1) 時効(付与されてから2年間)により消滅した年次有給休暇
(2) 退職時点における未消化の年次有給休暇
(3) 法律が定める付与日数を上回って付与している年次有給休暇
このように年次有給休暇の買上げは可能ですが、
上記の年次有給休暇を必ずしも買上げる必要はありません。
本来の目的に沿って、できる限り消化してもらい、
このような問題が発生しないような運用をすることが
望ましいでしょう。
社労事業部
村本 直人
年次有給休暇は、現在は1日単位でしか与えることができません(労使が合意した場合は半日単位でも付与可能)。しかし、平成22年4月1日に改正労働基準法が施行され、労使協定を結ぶことによって時間単位の年次有給休暇を与えることが認められるようになります。「時間単位で年休を与える」という言葉だけを聞くと、休みが取りやすくなる便利な制度という印象が強いと思いますが、いろいろとルールがあるので注意が必要です。
まず、大前提として時間単位の有給休暇の付与について労使協定を結ぶことが必須条件です。
したがって、労使協定を結ばなければ時間単位の有給休暇は従来通り認められません。
その労使協定の中には、最低限つぎの4つのルールを盛り込まなければいけません。
①対象職員の範囲
時間単位年休の対象となる職員の範囲を決めておきます。仮に一部を対象外とする場合は、「事業の正常な運営を妨げる場合」に限られます。ただし、年休の利用目的によって対象外にすることはできません。
②時間単位年休の日数
時間単位で付与できる年次有給休暇の日数は年間「5日」を限度と定められています。前年度から繰り越された年次有給休暇がある場合は、繰り越し分も含めて5日以内の範囲となります。
③時間単位年休1日の時間数
時間単位年休を付与する場合は、何時間で1日分の年次有給休暇に相当するのかを定めておく必要があります。例えば、1日の所定労働時間が7時間30分の場合は、30分端数が発生してしまいます。そのような場合は、端数を1時間に切り上げて「時間単位年休8時間分=1日分」とします。
④1時間以外の時間を単位とする場合の時間数
時間単位年休は、必ずしも「1時間」を単位とする必要はありません。最小単位を「2時間」や「3時間」と設定して付与することもできます。その場合は、単位とする時間数を労使協定に定める必要があります。
以上4つは、最低限労使協定に定めるべきルールなので、実際には他にも申請手続き等詳細を定める必要があると思います。
職員の皆様にとっては便利な制度かもしれませんが、管理する側にとってはしっかりと制度を理解して残日数・残時間を把握していかねばならない手間のかかる制度と言えます。
導入を検討する場合は、上記のルール設定や管理が煩雑となることも含めて、正しく運用することができるかどうかを事前に熟考したうえで労使協定を締結されることをお勧めいたします!
社労事業部
川本祐介
先日、保育園を対象とした勉強会の講師をしてきました。
担当テーマは“第三者評価制度の役割と活用”。
このテーマの中で、皆さん一番興味を持たれたのが“人事考課制度”でした。
人を評価し、処遇する仕組み。
「このような仕組みは保育園にはそぐわない」とお考えの先生もおられると思います。
しかし、現実には頑張ってくれる職員、園に貢献してくれる職員がいる一方で、少なからずそうではない職員がいることも事実です。
これらの職員に対し、同じような処遇をすることは、長期的にみてマイナスとなります。
頑張っている職員は、認められず不満を持ち始めます。
さらには、頑張らなくてもよい、このくらいで良い、などといった悪い組織風土ができあがります。
こうならないためには、“信賞必罰”の仕組みが必要です。
つまり、
頑張ってくれた職員、園の望む行動(意識・姿勢)をとってくれた職員を適正に評価・処遇し、そうではない職員には厳しく注意・指導し、相応の評価・処遇をするという仕組みです。
弊社には、私も含め人事制度の専門家が複数おります。
お困りのこと、お悩みのことがありましたら何なりとお聞かせ下さい。
経営コンサルティング事業部 津田孝